肝血管腫・胆のうポリープ・胆のう腺筋症・脂肪肝 と言われたら読むページ

はじめに

腹部超音波検査は、腹部エコーとも言われ、スクリーニングとして広く普及している検査です。
非侵襲的な検査の代表で、患者さんの身体的・金銭的負担が少なく、多くの臓器の状態がわかるというお薦めの検査です。

●目次
1 腹部超音波検査とは
2 この検査で分かる疾患
2-① 脂肪肝
2-② 肝血管腫
2-③ 胆のう腺筋症
2-④ 胆のうポリープ
3 その他の疾患
4 おわりに

1 腹部超音波検査とは

別名、腹部エコー検査ともいいます。
腹部皮膚表面部分に超音波を発信する装置をあてて、内臓からの反射波をその装置が受けとり、電気信号にかえてモニターに写します。きれいな画像が得られるように、装置をあてる部分にはゼリーを塗ります。

この検査で見ることができる臓器は、
・肝臓(かんぞう)
・胆嚢(たんのう)
・膵臓(すいぞう)
・脾臓(ひぞう)
・腎臓(じんぞう)
・腹部大動脈(ふくぶだいどうみゃく)

などです。非侵襲的な検査の代表で、患者さんの負担が少ないわりに多くの臓器の状態がわかる、お薦めの検査です。また放射線を使用しないので、被爆の心配もありません。

このページでは、比較的頻度の高い4つの疾患を解説します。

 

※2023年6月19日より、エコー検査の再検を希望される方は、同種の検査であれば、電話予約が可能となりました。ご活用ください。

2-①脂肪肝(しぼうかん)

肝臓の病気の中で最も頻度が高いのは、「脂肪肝」です。
脂肪肝とは肝臓に脂肪が過剰に蓄積した状態です。糖尿病や脂質異常症などの生活習慣病と密接な関係があると言われており、内臓脂肪型肥満や飲酒が原因であることが多いです。血液検査では異常が出ないことも多く、エコー検査で診断します。

脂肪肝には特効薬は存在しません。
脂肪肝から肝硬変・肝細胞癌へ発展することがあり、脂肪肝が見られる人は生活改善が必要です。かつて「脂肪肝」は軽くみられがちでしたが、近年は非アルコール性の脂肪肝炎が大変注目されており、放っておくと肝硬変などの病気に進展する場合があります。

2-②肝血管腫(かんけっかんしゅ)

肝血管腫も日常の診療で見つかる頻度が高い疾患です。
肝血管腫は、血管が海綿状になったようなもので、肝臓の中に血豆(チマメ)のようなものが出来ている状態です。偶然に発見される肝腫瘍の90%程度はこの血管腫と言われています。

血管腫は良性の腫瘍で、ほとんどの患者さんは、症状はありません。血液検査をしてもほとんどの場合は正常です。たまに血小板減少や貧血を伴うことがあり、この場合は治療が必要です。

稀に、かなり大きくなって、圧迫感や腹部膨満感などの症状が現れるときがあります。この場合は悪性疾患との鑑別が必要になります。肝血管腫はCTやMRIなど他のモダリティでも特徴的な像が出ますが、完全に肝臓がんと区別できるとは限りませんので、定期的な腹部超音波検査での経過観察が必要です。

2-③胆のう腺筋症/胆のう腺筋腫症(たんのうせんきんしゅしょう)

胆のう腺筋腫症は胆のうの壁が部分的あるいは全体に厚くなる病変(胆のう壁肥厚)であり、通常は小さなのう胞構造やコメット様エコー(石灰化)を伴います。また、肥厚した胆のう壁の部位によって3つの型(底部限局型、分節型、びまん型)に分類されます。

上記の脂肪肝や肝血管腫と同様に症状はほとんどなく、健康診断の超音波検査等で偶然発見されることが多いです。胆のう結石を合併したり、胆のう炎を併発して腹痛を伴うことが稀にあります。

胆のう腺筋腫症の原因は不明とされていますが、胆のう腺筋腫症から胆のう癌が発生しやすいという関連性はありません。腹痛などの症状がなく、肥厚した胆のう壁の層構造に不整あるいは断裂を伴っているといった胆のう癌を疑う所見がなければ、胆のうポリープと同様に、年1回の腹部超音波検査による経過観察を行いますが、胆のう癌が少しでも疑われる場合には、MRIやCT、EUSによる精密検査を行います。

2-④胆のうポリープ

胆のうポリープの多く(90%)は、コレステロールポリープという良性のものです。コレステロールポリープの他には、良性の過形成性ポリープもありますが、腺腫などの癌の前段階のポリープや胆のう癌も胆のうポリープに含まれます。

良悪性の診断には、ポリープの大きさ、形が重要になります。良性のコレステロールポリープの特徴は、超音波検査で高エコー(白く見えること)で桑の実状をしていること、有茎性であることです。エコー検査の結果が典型的なコレステロールポリープと異なる場合には、追加の検査が勧められます。

胆のう癌ではコレステロールポリープよりは低エコー(黒く見えること)であり、胆のう壁に広く接しているという特徴があります。またポリープの大きさが10mmを超えるものも悪性の可能性があることから、精密検査が必要とされています。超音波内視鏡検査では、このようなポリープの大きさや形態の評価を行うとともに、胆のうの壁も同時に評価します。

3 その他の疾患

その他は、胆石/胆のう結石症・肝のう胞・腎結石・腎のう胞・膵のう胞・膵腫瘤・脾腫・副脾などの良性疾患、そして悪性疾患である各臓器のがんなどもこの検査で分かります。

また、腹部大動脈瘤(だいどうみゃくりゅう)という血管の病気や、腹水などもこの検査で分かることがあります。

4 おわりに

超音波検査、エコー検査は気軽に受けることができるわりに、情報量が多く、お薦めの検査です。会社の健康診断や人間ドックなどでオプション追加ができる場合は積極的に受診するようにしましょう。

また、お腹の不調や痛みが続く場合には、消化器内科を受診し、この検査を受けてみてください。検査直後に結果がすぐに分かるので安心です。

 

 

当院は東京都江東区にある胃腸科です。近隣の江戸川区、墨田区にお住まいの方はもちろん、県外の患者さんも多数来院されます。肝血管腫・脂肪肝・胆のうポリープ・胆のう腺筋症、と診断された方は、是非、当院医師にご相談ください。

併せてお読みください。

住吉内科・消化器内科クリニック 地域の皆様の健康のため、早期発見・治療そして予防に努めます 住吉駅から徒歩2分 TEL:03-5638-1241
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