胃カメラは「鼻から」がいい?「口から鎮静剤あり」がいい?
このページは「~当院の特徴②~」になります。
はじめに
どちらの胃カメラも長所と短所があります。結論から言うと
◎ 当院ではまず「鼻から」「鎮静剤の注射なし」をおすすめしております。
胃カメラの経路は「鼻から」「口から」のどちらかになります。
鎮静剤使用の有無も考えると
・「口から、鎮静なし」
・「口から、鎮静あり」
・「鼻から、鎮静なし」
・「鼻から、鎮静あり」
の4通りが考えられますが、最後に挙げた「鼻から、鎮静あり」は、鼻からやるメリットが消えてしまうので、現在、ほとんどの医療機関で行われておりません。なので、選択肢は3通りとなります。
どの内視鏡が「自分に合った、楽な胃カメラ」であるか分からない患者さんも多いと思いますので、担当医に遠慮なく質問して下さい。丁寧に説明致します。
●目次
1 「鼻から」と「口から」どちらがいいの?~自分に合った経路とは~
2 意識下鎮静法について
3 「鼻から」のメリットとは
4 検査前の説明と経路の選択について
5 注意していただきたこと
6 おわりに
1 「鼻から」と「口から」どちらがいいの?~自分に合った経路とは~
来院された患者さんに、「鼻から」やるのと「鎮静剤を注射して口から」やるの、どっちが楽なの?とよく質問を受けます。
内視鏡のやり方については、苦痛が多い順に
「口から、鎮静なし」>「口から、鎮静あり」≒「鼻から、鎮静なし」
と言われています。皆さんは、当然、「なるべく苦痛の少ない胃カメラ」を希望されるでしょうから、2択ということになります。
どちらの胃カメラも長所と短所がありますが、
◎ 当院ではまず「鼻から」「鎮静剤の注射なし」をおすすめしております。
写真中段が、検査に使う胃カメラ(直径5.8㎜)
2 意識下鎮静法について
「口から、鎮静あり」「経口鎮静法」は意識下鎮静法とも呼ばれ、鎮静剤を静脈注射する方法です。
鎮静剤のおかげで「半分眠った状態」での検査が可能です。よく勘違いする方がいますが、いわゆる全身麻酔ではないので、「まったく苦しくない」「少しも痛くない」のではなくて「苦しかったことを覚えていない」くらいの表現が適切です。寝ている時間は5分から60分程度と、人によりバラツキがあります。
一方、意識下鎮静法にはデメリットも存在します。鎮静剤の量を多くすると、検査自体は楽に受けることが出来るようになりますが、検査後のふらつきや覚醒不良が起こることがあり、転倒・呼吸抑制などの重篤な合併症を引き起こす可能性があります。最悪の場合、呼吸が止まってしまうことがあります。使用経験が乏しい医師が鎮静剤を大量に使用すると「危ない」検査になってしまいます。当院ではベテランの医師が、適切な量の鎮静剤を使用します。
鎮静剤を注射した場合、回復室(リカバリー)で1~2時間休憩してからの帰宅となり、院内の滞在時間が増えます。また、検査当日は「車の運転禁止」「自転車の運転禁止」「高所での作業禁止」「精密な作業は控える」などの行動制限があります。
このように鎮静剤使用後のわずらわしさのことも考えると、胃カメラを受けるのが初めての患者さんには「まずは鼻からトライしてみましょう」となってきます。
3 「鼻から」のメリットとは
「鼻から」のメリットは、解剖学的にスコープが舌根(舌の奥の方、指で押すとオエッとなるところ)に触れないので、嘔吐反射が起きにくいことです。また検査時間は5分程度ですし、検査後の生活制限もありません。かつて「経鼻用のスコープは細いので、画質が悪い・解像度が劣る」と言われましたが、超高性能のCCDが開発され、その問題は解決されました。特に歯磨きの最中にオエッとなりやすい人は「鼻から」をお勧めします。
「鼻から」の唯一の欠点は、「鼻腔が狭くて通らない人がいる」ことです。女性の場合、その確率がやや高くなります。こればかりは、実際にやってみないとわかりません。検査直前に、両鼻腔内に表面麻酔を噴霧され、両鼻の入りやすい方からスコープを挿入します。現在、経鼻内視鏡の直径は5.8mm~5.9mmといったところですから、これより鼻腔が狭いと「鼻からは入らない」ということになります。また、ギリギリの細さのところを通りますので、検査後に軽い鼻血がでる場合があります。
4 検査前の説明と経路の選択について
当院では、患者さんと相談し、「鼻から・経鼻(けいび)」と「口から、鎮静剤あり」を検査前に選択して頂いております。
鼻から胃カメラ・経鼻内視鏡は、検査後の行動制限が無いことから、半蔵門線や都営新宿線など、電車で来院される患者さんにもとても評判が良いです。最近は口コミサイトなどをご覧になって来院される方も多数おられます。
5 注意していただきたこと
火曜日・水曜日・土曜日の胃内視鏡検査(胃カメラ)は、経鼻内視鏡のみの対応となっております。鎮静剤使用をご希望の方は他の曜日でのご案内となります。
※事前採血・同意書記入の必要があるため、電話でのご予約はお受けしておりません。また、来院当日の胃カメラは基本的にお受けしておりません。ご迷惑をおかけしますが、何卒ご了承ください。
6 おわりに
どの胃カメラが「自分に合った、楽な胃カメラ」であるか分からない患者さんも多いと思いますので、担当医に遠慮なく質問して下さい。丁寧に説明致します。
当院は東京都江東区にある消化器内科です。近隣の墨田区の錦糸町や押上にお住まいの方、江戸川区や23区外の患者さんも多数来院されます。胃カメラをご希望の方は、是非、当院の医師へ相談してください。